亡霊パサッサッ

ごきげんよう。クンクン博士じゃ

パンガシナン州に伝わるパサッサッ(Pasatsat)は、第二次世界大戦の日本軍占領時に不幸な死に方をした者の亡霊じゃ。

「Pasatsat」っちゅー名前は、パンガシナン語で「刺す」を意味する「satsat」から来とるらしい。

時は第二次世界大戦末期。戦争に巻き込まれて日本軍に占領されとったフィリピンの民は、長引く戦乱で疲弊し、貧困にあえいでおった。

身内が殺されたり餓死したりしても、金が無いので棺桶を買って手厚く弔ってやることなどできん。

せめて遺体をバニッグ(Banig。葦(あし)などで編んだフィリピンの伝統的な敷物。主に寝具として用いる)に包んで埋めてやるのが精一杯じゃった。

Banig.JPG
By MarvinBikolanoOwn work, CC BY-SA 4.0, Link

また、当時は遺品目当ての墓荒らしが横行しとって、普通に墓地に埋葬することもままならんかったようじゃ。

パサッサッは、そんな過酷な時代に悲惨な最後を遂げ、成仏できずにこの世を彷徨っとる哀れな霊なんじゃ。

コヤツはバニッグにくるまれた姿をしており、道行く者を通せんぼして困らせるらしい。

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どいてもらいたければ、ヤツのバニッグをナイフなどの鋭利なもので刺し、バニッグを開いてみると良いそうじゃ。

バニッグの中は空洞で、屍肉の腐った匂いを漂わせながら徐々に消えていくそうじゃ。バニッグを刺すから「Pasatsat」っちゅーわけじゃな。

その後、パサッサッが成仏するのか、それとも一時的に消えるだけで、一休みしたらまた別の通行人の邪魔をするのか、それはわからん。

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