魔術師マンババーラン

ごきげんよう。クンクン博士じゃ

フィリピンでは目上の者、特にお年寄りを大事にする習慣がある。人生の大先輩として、その豊富な経験と知識に敬意を示しとるっちゅーことも勿論あるんじゃが、実は別の理由があるのじゃ。

それはな、下手にお年寄りを怒らせて、そのお年寄りが「マンババーラン」だった場合、仕返しに恐ろしい呪いをかけられちまうかもしれんからなんじゃよ…。

説明しよう。

「マンババーラン(Mambabarang または Mangbabarang – 召喚者という意味)とは、狙った相手に呪いをかける黒魔術の使い手じゃ。同じような黒魔術の使い手にマンククーラム(Mangkukulam)っちゅーのがおるが、マンククーラムが呪いの道具に藁人形を使うのに対し、マンババーランは主に「バーラン(Barang)」と呼ばれとる昆虫を使う。この虫を標的の体内に送り込み、体の内部から痛めつけるという、まるで北斗神拳の極意みたいな「虫けら一匹で~ダウンさ~♪」の世界なんじゃ。

Alphitobius laevigatus (Fabricius, 1781) (11419955376).png
By Udo Schmidt from Deutschland – Alphitobius laevigatus (Fabricius, 1781), CC BY-SA 2.0, Link

これがマンババーランのペットの「バーラン」。英語でBlack fungus beetle(学名Alphitobius laevigatus)、日本語でヒメゴミムシダマシと呼ばれとる。体長5ミリほどのちっちゃな虫じゃ。こいつをサイキックパワーの遠隔操作で口、傷口、耳の穴、鼻の穴、ケツの穴などから体内に侵入させるんじゃと。ヒイーーッ!(鳥肌)

ちなみに、呪術のレベルから言えば、マンククーラムよりもマンババーランのほうが強烈とされとる。昆虫を長期にわたり遠隔操作する能力もさることながら、前者が主に標的を病気にするだけなのに対し、後者は標的にさんざん苦痛を与えた挙句、最終的に命を奪ってしまうかららしい。

一旦呪いをかけられたら、普通の治療ではどうにもならん。凄腕のアルボラリオに頼んでマンババーランに同じ術をかけて倒すしかない。そうそう、マンババーランより先に倒れてしまわんよう、奴の妖術をシャットアウトするバリヤーを張ってもらうことも忘れんようにな。

…というわけなんじゃ。お主らも、お年寄りは大切にせんといかんよ。命が惜しければのぅ。ヒヒヒッ

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